新旧CR-V徹底比較|荷室と乗用価値から読み解く進化

自動車

はじめに

6代目CR-Vは、従来のSUV像とは少し異なる佇まいを持つクルマです。力強さを前面に押し出すというより、日常での使いやすさや快適性を重視した設計が随所に見て取れる。

5th CR-Vからの変化に戸惑いを感じる人もいるかもしれない。しかしその方向転換は偶然ではなく、明確な意図をもった進化です。

本記事では、5th CR-Vと6th CR-Vを「寸法」と「使い勝手」、特に後席と荷室に焦点を当てて比較し、6th CR-Vがどのような乗用価値を高めたのかを読み解いていきます。
なお、使用した数値はUS HONDA CR-Vの主要諸元を基に、日本仕様の諸元も付け加えながら考察しています。


※参考リンク
まずは比較の前提として、5th CR-Vの荷室活用例と、6th CR-Vの公式発表資料を紹介しておきます。
まずは6thCR-Vを理解するうえでも御一読ください。


<新旧CR-V US諸元比較>

項目(US諸元)6th CR-V5th CR-V
全長184.8in(4694mm)180.6in(4587mm)
全幅73.5in(1867mm)73in(1854mm)
全高66.2in(1681mm)66.1in(1679mm)
ホイールベース106.3in(2700mm)104.7in(2659mm)
最低地上高7.8in(198mm)7.8in(198mm)
アプローチアングル17.1°19.3°
デパーチャーアングル21.3°20.8°
前席頭上空間40in(1016mm)40.1in(1019mm)
前席足元空間41.3in(1049mm)41.3in(1049mm)
前席肩部空間57.9in(1471mm)57.9in(1471mm)
前席臀部空間55.6in(1412mm)55.1in(1400mm)
後席頭上空間38.2in(970mm)39.2in(996mm)
後席足元空間41in(1041mm)40.4in(1026mm)
後席肩部空間55.9in(1420mm)55.6in(1412mm)
後席臀部空間52.6in(1336mm)49.5in(1257mm)
荷室容量(後席使用)39.3cuft39.2cuft
荷室容量(後席格納)76.5cuft75.8cuft

1. エクステリア寸法の変化から見るパッケージ思想

6th CR-Vは5thに対して全長が約106.7mm拡大されています。一方でホイールベースの拡大量は40mmに留まります。

全長差106.7mmのうち、ホイールベースの拡大量は40mmであるため、単純計算するとフロントオーバーハングが約66.7mm伸びていることになります。

これは見た目の変化以上に、衝突安全性能や前席周りのパッケージを最適化するための設計変更と捉えられます。

結論:外寸の拡大は、SUVらしさの誇張ではなく安全性と快適性を高めるための進化です。


2. 後席レッグルームはどこに使われたのか

ホイールベース拡大40mmのうち、後席レッグルームとして直接効いているのは約16mmと読み取れます。

残る約24mmは前席位置の後退に使われた可能性が高いです。これは単なる後席重視ではなく、前後席双方の快適性バランスを取った結果と考えられます。

結論:後席拡大だけでなく、前席を含めたキャビン全体の質を高めた変更です。


3. 後席の進化|リクライニングとスライド

6th CR-Vの後席は8段階リクライニングを採用しています。これにより背もたれ角度の自由度が大きく向上しました。

また後席スライド機構により、足元空間と荷室容量を用途に応じて調整できるようになっています。

結論:後席は“座れるだけの席”から、“くつろげる空間”へと進化しています。


4. 荷室容量は変わらない。しかし意味は変わった

後席使用時の荷室容量は5thと6thでほぼ同等です。しかし床形状と長手方向寸法の使われ方に違いが見られます。

数値では測れない「使いやすさ」を意識したパッケージ変更が行われています。

結論:荷室は広さよりも“使い勝手の質”を重視した設計になっています。

参考:5thCR-Vのキャンプ用品積載例(引用:本田技研工業株式会社)


5. フルフラット最大床長と隙間収納の進化

フルフラット時の最大床長は後席レッグルーム拡大により実質的に伸びています。

隙間収納部分も拡張され、ポータブル電源など実用的な装備を収めやすくなっています。

結論:何処でも行けるSUV性能の上に、車中泊スペックを確実に高めています。

参考:5thCR-Vの車中泊スペース(引用:本田技研工業株式会社)


6. ポータブル電源と車中泊適性

隙間収納の寸法は2kWh級ポータブル電源の搭載を現実的にしています。

これにより電源確保と床かさ上げを同時に成立させることが可能です。

結論:6th CR-Vは“走る・泊まる・使う”を高い次元で両立しています。

参考:5thCR-Vの前席後ろの隙間スペース(引用:本田技研工業株式会社)


7. 5thから6thへ|何が変わったのか

ここまでの考察をまとめると、

  • 前席:ステアリング角度変更と前席後退による乗用車ライクな運転姿勢
  • 後席:レッグルーム拡大、8段階リクライニング、スライド機構による上質化
  • 荷室:容量据え置きだが、床長と隙間寸法の実用性向上

という明確な方向性が見えてくる。


結論

6th CR-Vは、SUVのタフさと乗用車の上質さを高次元で融合したモデルです。

オフロード性能や見た目の迫力を前面に出すのではなく、日常からロングドライブ、車中泊までを快適にこなす「乗用価値」を磨き上げたCR-V。

5thから6thへの進化は、数値以上に思想の変化として現れています。

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